User:かんがへなし/計算機

計算機(けいさんき)は、數を操りて新たなる數を出だす働きをする物なり。

一たびに一手のみ行ひ、度毎に人の手にて働かしむ物あり。また、計り始めつる後、終ふるまで、人に因らず、自づから働く物あり。広くは、諸共指す。狭くは、前の物を指す。

古くは、齒車の組み合はせにて、數を表し、數を操る物あり。後、繼電器より成る物を経て、電子の振る舞ひにて働く物になりたり。


一手のみ行ふ物

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一たびに一手のみ行ふ物には、つぎがあり。


自づから働く物

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一つの計算機の働きは、現(うつつ)に働くからくりと、それがする仕事と、仕事にて使ふ物を記したる物より成る。 計算機は、現(うつつ)に働くからくりを指す言葉なり。然れど、それに仕事を記したる物の付きたる事、常なり。 計算機がする仕事を記したる物をプログラムと云ふ。

物の内、形ある物、物の躯をハードウェア(はあどゑあ)、それより柔らかかる物、形なき物をソフトウェア(そふとゑあ)と分かるることあり。 さに倣はば、現(うつつ)に働くからくりはハードウェアなり。仕事と、仕事にて使ふ物を記したる物はソフトウェアなり。

ハードウェア

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今の世にて主に使はれたる物は、プログラム内蔵方式なり。 一たび、仕事のまとまりを内に取り込み、それに従ひて仕事をする仕方なり。 仕事を取り込む先を書き換へるる所とし、内に取り込みたる仕事を仕事の中にて換へるる仕方をノイマン型と呼ばる。 ジョン・フォン・ノイマンが人々に報せば、さに呼ばる。 されど、彼は作り手にあらず。

次の五に分かる。

  ┌──制御装置───┐
  │  │  │   │
入力装置─→演算装置→出力装置
     │↑↓
     記憶装置


制御装置

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演算装置、記憶装置、入力装置、出力装置の間を取り持つ所なり。

演算装置

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數を操りて新たなる數を出だす働きの所なり。

記憶装置

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覚え記し置く所なり。

細かなる室に分けられたり。室一つに、數一つ入る。室毎に違ふ數番はる。數にて呼ぶ事によりて、その數に番ふ室が読み書きせらる。

似たる物に外部記憶装置あり。入力装置と出力装置にて記す。

入力装置と出力装置

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入力装置は、外より入れられたるを受くる所なり。

人の目にて見、耳にて聞き、鼻にて嗅ぎ、肌にて触れ、舌にて味はふに似たり。

  • 鍵盤
  • マウス
  • スキャナー

出力装置は、出で來たるを外に渡す所なり。

人の口にて言ひ、手足を動かすに似たり。

  • 表示機
  • 印刷機

入力装置、出力装置を兼ねる物あり。 外部記憶装置あり。

ソフトウェア

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計算機は、人の言葉を解らず。 數を操る物なれば、仕事、數の並びにて表さる。 行ひ一つに、數一つ振られたり。

易き仕事、小さき仕事をする物ならば、ただ、その仕事のみ載せらる。 難しき仕事、大きかる仕事をする物、仕事を問はぬ物ならば、幾重に重なりあり。

使はれ方

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通信網にて繋がりたり。 持ち運び型あり。

世の中を變へたる事

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來し方

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  • 1822年 階差機關 (チャールズ・バベッジ(Charles Babbage)) -- 齒車を用ゐたり
  • 1889年 國勢調査用統計處理機械 (ホレリス(H. Hollerith)) -- 穴の開きたる札を用ゐたり
  • 1903年 自動算盤 (矢頭良一) -- 齒車を用ゐたり
  • 1923年 虎印計算機 (大本寅次郎) -- 齒車を用ゐたり
  • 1940年~1944年 Z2~Z4 (ツーゼ(K.Zuse)) -- 繼電器を用ゐたり
  • 1942年 ABC (Atanasoff-Berry Computer) (アタナソフ(J.V. Atanasoff)、ベリー(C. Berry)) -- 真空管を用ゐたり
  • 1946年 ENIAC (モークリー(J.W. Mauchly)、エッカート(J.P. Eckert)) -- 真空管を用ゐたり
  • 1964年 グリーン・マシン(Green Machine) (オズボーン(T.E. Osborne)) -- 電子卓上計算機
  • 1965年 IBM360 (IBM社) -- 大型汎用機
  • 1971年 i4004 (Intel社) -- マイクロプロセッサー
  • 1975年 Altair 8800 (MITS社) -- パーソナルコンピューター

参考文献

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